親知らずの話②

「親知らずって早く抜いたほうがいいですか?」

若いうちに抜歯することのメリットが4つほど頭に思いつきます。

①だんだん仕事や家族などで、まとまった時間が取れずに痛みがでても、抜歯に行けない
大学時代は、本当に大学生の患者さんが多かったです。大学生で、夏休み中、就活が終わって勤務が始まる前などの時期の患者さんが多かったです。
仕事を始めると、有給の日数にも上限がありますし、責任ある立場になると休めるタイミングが自分都合に決めればいことも多いです。

②親知らずの潜在的なリスクを持ち続ける期間が短くなる。
親知らずには現在症状がなくても、リスク(急に痛みがでる、手前の歯の虫歯、歯並びへの影響)などが潜在的に存在します。
痛みが出た時期に抜歯を行うというのも、患者さんの選択としては尊重します。
ただ、同じ方で40才で痛みがでて抜歯をした場合と20才で先立って抜歯した場合との比較をしてみます。
抜歯をしたという事実(心身に対するダメージ)は両者は変わらず、前者は20年間リスクを持ち続けたというロスがあります。
そのリスクの影響の大きさには個人差がありますが、後者はこの先親知らずのリスクはないという得があります。
この得というのは実感するには難しいですが、実際手前が虫歯になってしまった方にとっては、明確なロスと認識しやすいです。
正確な先読みは不可能なので、親知らずを抜かずに、歯や歯並びに影響が全くでずに生涯貫けるというのは・・・どうなんでしょう・・・

③抜歯を抜いた後の治りが良い。
日々の臨床では、抜歯をあとの歯ぐきの治りや、抜いた穴のふさがりのスピードに差を感じます。
若い方は抜歯後の反応が早く、治癒へのスピードが良いと感じます。

④抜歯がしやすい
これって、歯科医師側のメリットでもあるんですが、患者さんにとっても施術時間が短く済むことが多いです。
親知らずは、25才前後まではえようとする力が豊かです。
そのため、周囲の骨なども含めて固定されていないことが多く、抜くときの硬さに差を感じます。

2022年11月04日